入居率と承認率の葛藤
管理会社の立場と保証会社の立場において、「入居率」と「承認率」は、ある意味、相反する面があります。
管理会社としては、入居率をあげることが使命の1つになっており、保証会社としては、承認率をあげることが、サービスでもありますが、リスクでもあります。
これを自社内で行っていきますので、そのコントロールは、容易ではありません。
しかし、少し目線を広げて保証業界の市場を見ていきますと、対策は出てきます。
今回より保証会社の主な業務について、説明しながら、懸念事項を踏まえ対策を考えていきます。
①申込み~審査業務 ②契約業務 ③売上・請求業務 ④滞納督促業務 ⑤変更・解約業務
この中で、①と④の業務がどれだけ、自社でできるだろうか、という不安がほとんどであり、保証事業を成功させるための重要なポイントになります。
審査と滞納督促は、相反する傾向にあります。
審査を厳しくすれば、滞納数が少なくなり、審査を緩和すれば、滞納数が多くなる傾向になります。
申込み~審査業務につきましては、審査の前にどういう人を自社で引き受けするか、「引受け基準」を決める必要があります。
その上で、どういう審査をするか、指標となる「審査基準」を作ります。
最初は、厳しめにつくった方がよいでしょう。
後に慣れてきて、滞納率が低い水準で推移していれば、緩和していくという段階的な基準にした方がよいと思います。
今や、管理会社が複数の保証会社を利用できる時代になりました。
このことをどうとらえて事業を行っていくか、を視野に入れ、引き受けをしていくことが、管理会社、保証会社の双方にとって重要になってきます。