事業リスクの低減方法
家賃保証事業には滞納が増加していくことによって、キャッシュアウトが大きくなり、事業継続に必要なキャッシュが十分に確保できなくなるリスクを抱えます。
保険の世界では、再保険をかけて、債務を分担する仕組みがありますが、保証の世界では、一部の保証会社を除き、再保険がかけられません。
と申しますのは、引き受ける保険会社としては、開始する自社保証会社にトラックレコードがないこと、一定の規模の引き受けがないと提携できないことが大きな要因です。
また、専門の保証会社に再保証として、提携をする方法もございますが、なかなか条件に合うような提携ができないことが現実です。
その理由は、改めてお話しします。
今、保証会社を利用していて滞納がほとんどないという方は、過去実績よりリスク低減方法を考えていく優先順位は低くなりますが、この事業を開始していく上では、最重要ポイントになり、一定の滞納が出るという前提で考えていきますので、対策はとっておく必要がございます。
下の図は、リスク低減方法として、どういったものがあるのか、どういった補填、分担があるのかを表しています。
ここでいう「プロパー保証」とは、全て自社で滞納保証のキャッシュを支払うことです。
「再保険」とは、保険会社(損保会社)が滞納保証のキャッシュの一部を補填することです。
「再保証」とは、専門の保証会社が滞納保証のキャッシュの一部を分担することです。
再保険と再保証は、債務補填、債務分担として、自社保証にとっては、全ての債務を負うことがないということでは同じになりますが、再保険の場合、一般的に債務が確定してから支払うことになり、再保証は、提携条件にもよりますが、債務が変動している間(入居中)でも支払うことが多いです。
また、再保険の保険会社は、補填したキャッシュについて、基本は回収行為を行なわず、損金処理をしますが、再保証は、保証会社が補填したキャッシュについて求償権に基づき回収行為を行うことに違いがあります。
一般的に考えますと、どちらの費用が高いかは、滞納発生率にもよりますが、回収率が高くなるかによりますので、回収行為を行い、滞納発生から早くアクションがとれる再保証の方が低くなります。
保険会社の場合、事故が多くなれば、保険料が上がるのと同じ様に、滞納が増えれば、掛ける保険金も高くなっていくと考えた方がよいでしょう。
その面では、再保証にかけるコストは、一定水準で推移しますので、計算できるかもしれません。
リスク低減方法を検討するにあたりましては、提携ルート、実績、信用、提携方法などを考慮し、提携していくことが必要になりますので、自社ではハードルが高くなりますが、提携についてのご相談を引き受けさせていただきます。