再保証会社との提携について
前回、設立にどれ位の時間がかかるのかを考えるときに人員についての話しをしました。
人員配置をどうするか、検討するときに保証会社立ち位置を考えていく、すべての業務を自社で行うのか、どこかと提携していくのか、の方針になります。
この方針により、設立までの時間は大きく左右されます。
つきまして、設立までの時間に左右される提携についての概略を話します。
提携していくことになった場合、どういった会社とどういった立ち位置で自社を考えていくのか、この時、実現性の低い保険会社との再保険は省略します。
まず、再保証会社と提携するにあたって、私たちは、「タテ型契約」と「ヨコ型契約」といっており、自社保証会社の提携方法を説明しております。
ここでいう再保証会社とは、専門の保証会社や金融機関のことをいいます。
この図で薄いオレンジ色で囲った部分が管理会社から見て保証会社となります。
「タテ型契約」では、自社保証会社の下に専門の保証会社があります。
管理会社から見て、自社保証会社が元請的な存在になり、その下に専門の保証会社が入っており、裏保証と言われることもあります。
管理戸数を多くもつ管理会社では、こういったケースが考えられるかもしれませんが、ほとんどのケースにおいては、専門の保証会社との条件が合わず、断られてしまうことの方が多いと思われます。
と申しますのも専門の保証会社にとっては、実質値引きになってしまうからです。
今まで管理会社と直契約をしていた保証会社は、多く利用してもらうため、競合に勝つために、保証利用レートと保証内容について、交渉する余地がありますが、自社保証会社が入りますと、中間利益の確保とリスクヘッジを要望されるため、保証利用レートが下げられ、
かつ保証範囲を広げられてしまうことが考えられます。
専門の保証会社も「保証料 × 保証範囲 × 保証件数 × 使われ方」により提携するかどうかを判断すると思われますし、提携したとしても今度は、自社保証会社の売上が低くなってしまうことが考えられます。
万一、専門の保証会社が事業停止、倒産してしまった場合、自社保証会社が過去の分の滞納を全て引き受けることになります。
また、自社保証会社が事業停止、倒産してしまった場合、専門の保証会社が事業をされていたとしても管理会社への保証は、全てできなくなってしまいます。
その上で、双方合意し、提携することができましたら、自社保証会社にとっては、安定した利益が確保されつつ、滞納リスクがほとんどなくなり、大きなメリットになります。
次に「ヨコ型契約」とは、管理会社から見て2つの保証会社を同時に利用することになります。1つは、自社保証会社、もう1つは、金融機関もしくは専門の保証会社です。
主に金融機関が多く使われています。
この形態では、債務を分担することが大きな目的です。
ある時点までの保証をA社が、それ以上の保証をB社が行うといったことです。
この時、自社保証会社も滞納リスクを負いますが、全てを負う必要はなくなります。
また、初期から数カ月の債務を提携先でみることにすれば、提携先もリスクが読みやすくなり、提携の実現性は高くなります。
回収された家賃の優先順位を提携先とし、自社保証会社は劣後とすることで、条件面でも引き受けする会社が出てくる可能性が高まります。
このとき、二重督促ならないように、また回収された家賃につきましては、取り決めをしておく必要があります。
万一、自社保証会社が事業停止、倒産してしまった場合でも、提携先が事業をしていれば、すべての保証はされなくなりますが、提携先の保証を受けられ、管理会社も急な保証切れは避けられることになります。
いわゆる共済型の仕組みです。
こういった提携は、自社保証会社の運営では、非常に有効的であり、ノウハウに不安を抱えている方でも早く会社を立ち上げられることにつながります。